NoName

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肌を焼きつけるような暑くて眩しい太陽。
蝉の音が世界中で響き渡る。
もう8月だ。
「…」
あの日、君は私を置いていってしまった。
全く、彼女を置いていくなんて最低な彼氏だ。
君の綺麗な顔も、その縦長の磨かれた石では何も見えなく、殺風景で寂しく名前しか書かれて居ない。
そんな眠ってしまった君のそばに華やかな花を添える。
君は華やかな花とかは好きじゃなかったけど、嫌がらせに置いてやる。
こうしてやれば、君が反応して一回だけでも戻ってきてくれるかもしれないし。
大体は立ち直ったつもり。
だけど。
あのとき、私は動揺でなにも言葉が出なかった。
そのせいで感謝も何も、悲しみだって伝えられなかった。
数分でもいいから君に会いたい、なんて。

8月、君と会いたい

8/1/2025, 12:22:50 PM