お優しいことですね。それらは虚構ばかりをたっぷりと含んだ――俗に言うならば優しさと呼ばれる行為だったので、ひどくその言葉に安心した。嫌味ったらしいほどに優しく、すべてのひとに甲斐甲斐しく、そうやって名ばかりの善行を積んでいる。まるで賽の河原だったが、ひとつ理に反していることといえば私は鬼を待っていた。こうして私の邪悪で出来上がった石の塔を台無しにされるのを待っているのだ。どうか優しくしないでください、その祈りのためだけに私はひとの邪悪を信じていた。
5/3/2023, 3:44:47 AM