《夢を描け》
『それじゃあ今日の授業では将来の夢について自由に書いてみましょう!』
そう言われたのは、いつだったか。もう10年は前のことだったと思う。
そんなことを年末の大掃除の途中で出てきた古い画用紙の束を見ながら俺、齋藤蒼戒はふと思う。
「蒼戒ー、そっち片付いたー? ……ってうわー、懐かしー! いつのだっけ、それ」
そう言ってひょっこり顔を出したのは双子の兄、春輝。
「いつだったかな……。小1とかその辺だったと思うが」
「とりあえず小学生だったよな。つーかこれまだ取ってあったんだ……」
「確かにな。とっくにどんど焼き送りになってると思ってたんだが」
「だよなー。母さんの仕業だぜ、間違いなく」
「だろうな。ちょうど出てきたことだし来年のどんど焼きにでも出すか」
「いや取っといた方がいーんじゃねーの? もう10年は置いてあったわけだし」
「そうか? 俺はこの絵、あまり好きじゃないから……」
「ああそっか。
続きはあとでちまちま書いてきます!
2025.5.9《夢を描け》
5/10/2025, 10:00:10 AM