No.41:嗚呼
#人外Tさんと
月に照らされる君が、酷く綺麗だった
何時もは眩し過ぎる程の笑顔を向けるのに。
この時間、闇の中で向けてくれる笑顔は、変わらぬ優しさが、淡い美しさを纏っていた。
「...どうしたの?○○君」
ジッと見すぎてしまったのだろうか
君が、僕に問い掛けてくる。
...僕はそれに「なんでもない」と返したかったのに
「...月が綺麗だな...って」
君を見詰めながら、そんな事を言ってしまった
...なんでかは分からない、けれど
僕の返事を聞くと、一瞬だけ君は呆けた様な表情を浮かべて
「...んふ、」
「?」
「...なら、ずっと月を一緒に見てくれますか?」
「...!!」
ふわっと微笑み、そんな事を口にした
...嗚呼、彼は意味が分かっているのだろうか
君の事だから、分かっているのだろうけれど
「...嗚呼、君は本当に」
”狡い人だ“
そう言いながら、返事の代わりに、君を優しく抱き締めた
3/9/2025, 11:38:52 AM