よつば666

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お題『星のかけら』

 昼前、伊多孝雄(いだたかお)とその兄、藤雄(ふじお)はNZ L(ニュージーランド)のオークランドの街を一望できる展望スポット、マウント・イーデンと呼ばれる観光地に訪れた。目の前には芝生のように草が一面広がっている。まるでパスタ皿のように中央に窪んだ箇所があり、ここがかつての活火山だったということが物語っているかのように、中央部分以外にも浅く窪んだ箇所がいくつかある。しかし現在は火山活動は起こっておらず休火山となっている。孝雄は感動していた。

孝雄「凄いね、兄さん。こんなに深い火山できたクレーターを間近で見れるなんて幸せだ。久しぶりに研究したくなってしまったよ」

孝雄は今では萌香達の通う高校の校長先生だが,それ以前は別の地域の高校で生徒達の前で地学の授業をしていた。

藤雄「相変わらず,お前は火山とかそういうの好きだな(笑)もう一つお前に見せたい場所があるんだ」

そう言って孝雄達は火山で出来たクレーターとオークランドの街を眺めながら藤雄が出かける前に作った昼食用のお弁当を食べる。山を降りてしばらく車を走らせ今度は船着場に車を停めた。次の観光する場所はフェリーに乗ってティリティリマタンギ島という世界的に珍しい鳥類の楽園として人気ある島らしい。
外周を歩いて約1時間後足元に握り拳ほどの大きさの石を見つけた。孝雄は手にとってまじまじと観察していると……。

孝雄「兄さん、見てよ」

孝雄は子供の頃に戻ったように目を輝かせて兄に石を見せた。

藤雄「どうした」

孝雄「大発見だよ」

藤雄「だからどうした?」

孝雄「星のかけらを発見したんだよ!!」

「本当か?」と藤雄も石に飛びついた。

藤雄「俺の知り合いで石に詳しい奴がいるんだ。そいつに調べてもらえるか聞いてみるよ」

孝雄「え?日本に持って帰って自分で調べたいんだけど……」

藤雄「それは難しいな……石の種類や状況によって持って帰れるかは異なるんだよ」

孝雄「そう……なんだ」

藤雄「落ち込むなよ。俺が責任持って知り合いに頼んでみるからさ!」

End

1/10/2025, 9:30:13 AM