世界の終わりに君と 6/8 (土).
テレビの速報で突然流れた言葉、「地球滅亡」。
明日なにするかと、みんなバタバタバタとする。
鶏がコケコケ鳴くようで、世界がどうもうるさかったんだ。
特にしたい事もないけど、最期の瞬間くらい、君と…
そう思い、彼の家へ足を運んだ。
「どうしたの」
『ちょっと話したくて』
「そっか」
別に付き合ってないけど、最期の瞬間くらい好きな人と
いたいのは全女子の性だろう。
他愛のない話を5分くらいしただろうか。
滅亡まであと10分。
…最期を共にしたいと、
伝えようとした時だった。
『あの、…最期の瞬間、一緒にいn』
「…そろそろ地球滅亡だから彼女のとこ行くわ、じゃあね、また来世な…」
そう言い残し、彼はそそくさと目の前から
いなくなってしまった。
…ああ、そうか。
失恋、独り、絶望…
それらが混ざった感情は、縮んだ風船のようにくたっとした。
『最期の最期で1人ぼっちか、ははははは』
自分でも泣いてるのか怒ってるのか笑ってるのか分からなかった。
ただ、彼の存在を消したくて残したくて、
苦しむ心が破裂すると同時に、世界が滅亡する瞬間を
待つしかなかった。
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6/8/2024, 2:48:01 AM