27(ツナ)

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届かぬ想い

暇ができて立ち寄った活動写真でひとりのある女性に一目惚れした。
その女性はスクリーンの中で素敵な笑顔を見せ、軽やかに踊る。あまりにも美しく可愛らしい彼女は僕の胸を打った。
彼女は女優。僕はただの書生。あまりにも身分が違いすぎる。
きっと出会っても、この想いを伝えることなんてできないだろう。

僕にできることといえば、彼女が出演する活動写真に足しげく通うことぐらいだ。
今日は活動に人が少なく僕を含めて片手で数える程しかいない。
一席開けて隣にひとりの女性客が座る。
今日も今日とて彼女の活動写真を見ては、ひとりスクリーンに向かっ待て心からの拍手する。
「…もし。貴方、この活動写真がお好きなの?」

隣に座っていた女性に突然声をかけられた。
「え!あ、はい。内容と言うよりかは女優さんに一目惚れ…でして。ははは。お恥ずかしい。」
少し恥ずかしくて頭を掻きながら返事すると、僕の目の前にはついさっきまでスクリーンの中にいたはずの彼女が居た。
「あら、それは素敵。私は嬉しいです。また、活動写真見に来てくださいな。」


4/15/2026, 11:14:29 AM