ピノ

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前方からゾンビがやって来る。
走る速度はもたもたしている。
電気つけっぱか、
ゾンビが眼前に迫っている。
行き止まりに来てしまったみたいだ。
まだ5分ある、
ゾンビが食いかかってる。







止まった。

何もかも止まった。ゾンビたちは行儀よく停止し、目の前にはゲームの一時中断画面のような選択肢が現れる。走馬灯にしては無機質だ。再開を選べばゾンビに殺される。終わりを選べば、助かる。もう分かってしまった。良かった。ここで止まるということは夢だ。どっちにしろ助かった。悠長に待っていても大丈夫だ。だってゾンビは襲ってこないし、襲ってきたとしても痛みはない。気長に構えることができる。よし、待ってみよう。この先はないのだろうけど、夢を操れているという全能感に浸ってみよう。
かすかに光、
ゾンビがやってきた!!!


停止。
簡単だ。方法は知っている。怖いものはもうない。
こうなったら、やることはあまりない。
ゾンビが消える。
必死に好みの女性を思い浮かべる。
なるべくはだけた格好で。






眩しい!!!!









あぁ、電気つけっぱだったんだ。
静かな部屋。ゾンビも女の子もいない。天井につるされた小さな満月。まだ夜か。いやそんなことはない。朝だ。
移す。時計。アラームは。確か、消した。
ということは!13分過ぎている。
これではもう、助からない。

3/20/2026, 7:47:33 PM