彗星

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異世界崩壊事変ーキノピーチ編ー 第二話:幽霊船

キノピーチ「うーん……」
 キノピーチは、顔に当たる冷たい感触で目を覚ました。
 そのままむくりと起き上がる。
キノピーチ「確か、引き摺り込まれたんだっけ……」
 キノピーチは、あのたくさんの白い手を思い出し、身震いした。
 上を見れば、雨が降っている。
 そして何より、キノピーチがいるところが船なのだ。
キノピーチ(いつの間に……それにボロボロ……)
 床には穴があき、帆も原型を留めていない。何か書いてあったのだろうか、線のようなものが見えなくもない。
 気味悪く思ったキノピーチはすぐにでも出たかったが、その術が分からない。
 キノピーチは、仕方なく中に入ることにした。

⋈ ⋈ ⋈

 木の扉を開けて中に入る。
 すると、背後で木の扉が倒れた。
キノピーチ「ひっ!」
 慌てて振り返るが、木の扉が粉々になっていただけで、あとは何も無かった。
 結局、キノピーチは劣化で壊れたのだと思い込むことにした。
 船内は暗く、ほとんど何も見えない。
 近くにあったランタンにマッチで火を灯すと、その手を掲げた。
 案の定、中も物が散乱して悲惨だったが、光源がある分、少し安心感があった。
 すると、奥の棚にある少し蓋の開いた箱から何かが覗いていた。
 キノピーチは近づいて蓋を開けた。すると、その拍子に棚が倒れてきた。
 後ろに飛び退って躱すと、散らばった物の中から、紅く輝く宝石を拾い上げた。
 それを目線の位置まで持ってくると、まじまじと見つめた。
キノピーチ(濁ってない……それに、傷一つついてない……)
 宝石はランタンの光を反射して、紅く光った。

5/17/2026, 6:52:17 AM