『ねぇ知ってる? 文化祭の目玉のキャンプファイヤーで一緒に踊る男女は必ず付き合えるんだって』
教室で聞こえたありきたりな噂。
そんなことで本当に付き合えたら苦労はしない。
というか、ダンスに誘った時点で告白してるようなもの。
私にそんな勇気なんてない。
でも、彼が他の女の子と踊るのは見たくない。
そんなこと考えてる私は傲慢で卑怯だ。
私は来た道をもどり、彼が1人で歩いてるのを見つけた。
「あっ、あの!」
今までにない音量の声が廊下に響く。
私に気づいて振り向いた彼に私は精一杯の勇気を振り絞った。
「文化祭のキャンプファイヤー……。一緒に--」
"踊りませんか?"
10/4/2023, 2:50:43 PM