ゆう

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探していた。

物をではない。
理由を探していた。

ある時を境にぱったりと見なくなった。
いや、気づいたら消えていたのだ。

物を、ではない。
理由でもない。
概念が消えていたのだ。

それがどんなものか思い出せない。
おぼろげだ。
使途不明だ。

物でもない。
理由でもない。
概念でもない。
存在が消えていたのだ。

天界にあるという概念の墓場。
そこにある木製の引き出しの中にそれは仕舞われていた。
引き出しの中は暗くて寂しそうだ。
その引き出しの隅にそれはあった。

古い概念の引き出しと新たな概念の引き出しがあり、
古い概念と入れ替えに新たな概念が取り出されていた。
新たな概念の引き出しは空になっていた。

何が仕舞われているかわかるように、
引き出しにはそれぞれ名前が書いてあった。

こうして古い概念が仕舞われては新たな概念が生まれていくのだろう、か。

引き出しにはそれぞれこう書いてあった。

「手紙」
「LINE」



『手紙の行方』

2/19/2025, 9:54:59 AM