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蝶よ花よ


何よりも大切だった。大事にしたかった。
その想いが行き過ぎて、愛ではなくなることもあったけれど、それでも愛していたのだ。
死の間際に、母はそう言った。
大切にされすぎて、可愛がられすぎて、苦しくなって。
蝶よ花よと育てられたはずなのに、なぜか自分が嫌いで、母が嫌いだった。
愛が、こんなにも重荷になるだなんて、きっと母も私も思ってなかっただろう。
これは望みではないけれど、もしも、またあなたの元へ生まれてくるのならば、そのときはもっとちゃんと互いを愛せたらいい。
だから、次会ったときも笑ってよ。

8/8/2023, 1:37:38 PM