モンシロチョウ。
俗に美しいとされる昆虫。でも、実物の好き嫌いへは直結しない。
私は失敗をした。取り返しはつかないし、時間も巻戻らない。命など致命的に失われるものは無くとも、損害は必ずあった。謝罪や金銭以上に償い様は無く、この罪悪感や己への失望感は、もう一生消えない。
僕は成功をした。ふと手に入れた紙切れに、一生分の運を載せて、手の上に成功が乗った。一人では扱いきれない幸運に、口元と懐が緩んでしまう。この幸福はきっと、一瞬で使い切ってしまう方が良いのだろう。夢は現実になると、とても恐ろしい。
どんな蝶も綺麗だ。特徴があり、優雅さがあり、そこにいる事で楽しめる人間が居る。
では、見目麗しく気品があり、鈴のような声で努力の星が宿り、気性の柔らかな人とは、真反対をいってしまう様な人間。これはどうしたモノだろう。
過去のあれこれ、抱える問題、特有の個性など関係なく、その場で必要な能力や材料をもたぬ者。
それは幾ら新参だったとしても、認められない。
尚更、社会的な年月が経っていない未熟な者は、期待を付与する存在にもならない。
美しく光るには、確かにそのモノ自体の輝きが必要だ。
でも、そのひかりを覆ってしまうほどに蔓延った鱗粉は、眩い光の持ち主でさえ咳き込ませてしまう。
声は上手くは出ない。これが平常。
後はそれを、平静を装って飲み込めるか、どうか。
蝶になれば、息もしやすいだろうか。
5/10/2026, 3:46:00 PM