文月

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『風を感じて』

あの日、土手の道で
カメラを持って写真を撮っていた

夕方の4時
夕日が川を金色にして
風が気持ちよく頬をなでていった

きれいな桃色の夕日で
ずっと見ていたくなった

夢中でシャッターを押していると
レンズの先にひとりの女性が写った

白いワンピースが風にゆれて
長い髪が夕日に透けて光っていた

その人はゆっくり振り返った

横顔が夕日に照らされて
本当にきれいだった

目は遠くを見ていて
少しさびしそうに見えた

名前も知らない人。

でも
あの時の光と風と
その横顔だけは
今もずっと心に残っている。

8/9/2025, 10:40:02 AM