未知亜

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ㅤ朝陽の差す病室であなたは妙に背筋を伸ばし、外を見ながら言ったよね。
ㅤやっぱり君とはすぐにまた逢える気がするんだ。なんの根拠もないんだけどさ。

ㅤ好きだと言っていた歌を、私は小さく口ずさむ。
ㅤ現実はどうだからってことじゃないし、ずっと胸の中に生きてるとか精神論的な話でもない。
ㅤ砂に水が染み込むように、あの時のあなたをただ信じたいだけだ。

ㅤ音もなく立ち昇る煙を見上げ、心の中で呟いた。
ㅤじゃあね、さよなら——ほんの五十年くらい 。

『LaLaLa GoodBye』

10/14/2025, 9:18:28 AM