漣 蓮斗 中間で更新遅め

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テーマ 耳を澄ますと

涼しい冷たい風が自分の目の前を通っていく。この静かな空間に響く音としては十分だった。無言は続く。あ、そうだった。もう喋ろうとしても喋れないんだった。まあ言葉なんてもう必要なかったんだけど。
「...っ」
誰かが自分を見ている。誰なのかは見えない。すると泣き声が聞こえた。

なぜ悲しむ。必要な犠牲だっただろ。



霊安室で、一人の人間は泣いていた。

おわり

5/4/2024, 11:37:09 PM