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ずっと隣で

 俺は悪魔だ。契約してとある人間と共に行動している。こいつに力を貸す代わりにこいつが死んだら魂を頂くのだ。ふん、人間の寿命など悪魔にとっては瞬きする間に終わってしまう。それに加えこいつは十五年ほどしか生きていないにも関わらず常に戦いの場に身を置き続ける生活だ。早死にするのは目に見えている。その間力を貸すなど造作もない。
「さっさと魂をよこせ」
『俺が死んだらって約束だろ』
「これうまいな、もう一つよこせ」
『俺が死んだらもう食えなくなるし、レシピ覚えとけ』
「お前が山ほど作ってから死ねばいい」
『それじゃ腐るぞ』
これが俺たちの日常だった。

 むせ返るような鉄の匂い、衣類に染み込む鮮血の赤、苦しそうにうめく声。五感から感じる全てが、こいつはもう直ぐ死ぬと言っている。普段なら手こずるような相手ではなかった。卑怯で愚かな人類どもめ、人質を取るような真似を。くそ、血が止まらない。俺は確かにこいつが死ぬのを望んでいた。だがこいつはこんな最後を迎えていい人間ではない。何か、何か方法は––––––––––––

『そういえば、俺を不老不死にしてよかったのか?』
「不死では無いぞ」
『ほぼ不死みたいなものだろ』
「…まだうまいものの作り方を聞いていなかったしな」
『教えなかったか?』
「そうだったか、まあいい。もうしばらくは俺の隣は貴様でいいと思ったのだ」
『なんだそれ。てかお前が死ぬまで俺も死なないんだからしばらくどころかずっと隣じゃないか』
「…ふん」

3/14/2026, 2:21:38 AM