静寂に包まれた部屋
夜。
真っ暗な部屋の中で静かに目を瞑る。
豆電球の光さえ眩しく感じてしまうから、部屋の中はいつも真っ暗だった。
音のない静かな空間に、自分の心臓の音が妙にリアルに感じた。
ドク、ドク、と動く心臓から送られる血液が身体中を巡ってゆく感覚。
心臓は、生まれてから一度も止まらないで動き続けているし、これが止まると人は生命活動を続けられなくなる、人間の身体の仕組みが不思議で仕方ない。
光のない苦しみの中にいたあの頃でさえ、ちゃんと動いてくれていた。
だから、今も自分はここにーーー。
静寂に包まれた部屋の中で、自分の“生”を感じて今日も眠りにおちてゆく。
朝の目覚めを夢見ながら。
9/30/2022, 9:23:30 AM