朝靄の中を歩きながらこんなに周りが、真っ白に染るのを不思議に思いながら歩く。
一人では少し心細いが、頼もしい愛犬が先頭を歩いてくれる。早すぎた散歩に後悔しながら、歩いていると先の方に誰か歩いている。
愛犬が低く唸る、何だろうと目を凝らして先を見る。
狐だ、真っ白の毛の狐だ。
なんて綺麗な毛並みなのだらうか、思わず見惚れていると。
愛犬が後退りして来る、おそろしくなったのだろう。狐は、見透かしたように近付いて来る。
すーつと近付くと、愛犬には眼もくれず足元に座り込む。
よく見ると、哀しげな目をして見上げている。
そして、すくっと立ち上がり離れて行く。
ふっと耳元に、また会いましょうと聴こえた気がした。
11/13/2024, 12:00:56 PM