この道はなんだかずっと工事中だ。日が落ちて誰もいない道路の脇に、オレンジのフェンスが並んでいる。両手を繋いだように太いパイプの電飾が続いていた。
「こういうの好きなんだ」
並んで歩きながらあなたが言った。
「ここから始まった光がさ」
フェンスに近づいて端を指差す。
「すごい勢いで向こうに走ってくみたいに見えるでしょ?」
実際は時間差で順に点滅してるだけだ。分かってはいても言われてみれば確かにそう見えた。
「ただ走るために生きてる感じで」
永遠みたいに走って消える光の明滅。
大切なものを壊してやりたかった。
それであなたに近づいたのに。
それは困るなぁとあなたは笑った。
あんたまだ死ぬのいやでしょ?
「生きてくってそんなもんかも。意味なんてないんだよ」
だからしたいようにしていいよと道の真ん中で両手を広げ、あなたは静かに目を閉じた。
『大切なもの』『それでいい』
4/5/2026, 9:53:07 AM