「ねえ……この日にもしも世界が終わるなら、最期に何がしたい?」
カフェでお茶してると友達が不安そうな声と共にスマホを見せてきた。
それに表示されているのは巷で騒がれている終末予言。
私はそんなのちっとも信じてない。むしろそんなの信じるなんてバカバカしいとさえ思っている。
だけど友達にそんな本音は言えない。何を信じる、信じないは個人の自由だから。
「別に……普通に過ごすかな。あ、でもちょっと美味しいものは食べるかも」
「……やっぱり信じてるんだ」
「え? 違う違う。その日は推しの誕生日だから美味しいもの食べたいってだけだよ」
「ふーん……」
友達はしばらく考え込むような仕草をした後、おもむろに口を開いた。
「その日さ、お泊まりしていい? 私もその推しの誕生日祝いたいの」
「いいけど……たぶんあなたの知らないキャラだよ?」
「それでもいいの。どうせ終わるのなら楽しい気分で終わりたいから」
そう言う友達の目は本気だった。
ならば私も本気で誕生日会をしよう。
普段飲まないお酒を飲んで良いケーキだって買っちゃおう。
最終的にどんちゃん騒ぎになって、次の日二日酔いとかになったとしても、それはそれでとても良い思い出になるはず。
ああ、その日がすごく楽しみになってきた!
9/18/2025, 1:16:19 PM