母の形見の腕時計はまだまだ私には似合わないそっと箪笥の引き出しの中25年の矢の月日が過ぎて気づけばあの日の母の歳になった私久しぶりに手に取って竜頭をゆっくり回す音冷んやり手首に巻きつけると鏡の中には母の面影もう会えないと思っていた母の笑顔をつくってみたら鏡の中は泣き笑顔動き出した時計の針は遠い時間をいままた刻んでくれる「時計の針」#9
2/6/2023, 11:41:31 AM