「どこまでも続く青い空」
地面に仰向けになり、真っ青な空を見上げた。
雲一つ無い、快晴だ。
ふと時間が気になってスマホの電源をつけようとしたがつかなかった。
そうだ、何度も鳴る通知音がうっとおしくて、叩きつけて完全に壊したんだった。
結構思い切ったな、と自分のした事に鼻で笑う。
もう時間なんて気にすることはない。
身体を起こし、周りを見渡す。
立ち並ぶビル群はただの大きな岩と成り果てた。
昔通ってた小学校なんて、既に塵と化している。
仲良く撮った家族写真は、きっと無に等しい。
2XXX年。
突如AIの暴走、反逆により日本は滅亡寸前に陥った。国はありとあらゆる手を使って、抵抗したが駄目だった。
いずれ日本だけでなく、他の国でも同じことが起こる。
餓死するのが先か、
暴走したAIにリンチにされるのが先か、
それか…
もう一度空を見上げ、その青い空に溜息をつく。
一瞬、青の中に目立つキラリと赤い光が見えた。
そういえば、AIの暴走を止めるために最終兵器を使うとか言っていたような。
みんな吹っ切れてたんだ。
どうでも良くなった自分の笑い声が響いた。
笑い過ぎたのか、涙が目に滲む。
一等星が、また一段と輝く。
このどこまでも続く青い空。
いつまでも、見上げていたかった−−−−
10/23/2024, 1:37:05 PM