何でもないフリ
何でもないようなことが
幸せだったと思う
何でもない夜のこと
二度とは戻れない夜
まるで子供のように、微笑みを浮かべたまま眠れぬ森の少女。ちょうど一年前、この道を通った夜、雪がちらついていた。借りたての部屋の中に突然闇を落とした、悪夢のような電話。駆けつけた病院、病室のベッドの上まるで少女のように、微笑みを浮かべたままで眠れぬ森の少女。
何でもないようなことが幸せだったと思う、何でもないような夜の事、二度とは戻れない夜。
それでも月日は、また流れ何でもなかったかのように過ぎ、何でもなかったフリをして生きて行く、許せない誰が悪いと言ってみても、眠れぬ森の少女は目を覚まさないし、閉ざされた目は二度と開かない。だから、彼は何でもないフリをして生きました。
それから、どれだけ時間は流れたでしょうか、彼も歳をとりましたが、写真立てに飾られた彼女は歳を取りません。そんな彼の心が動きました、何でもないフリをして何でもなく砂漠の中を歩いていた、何でもない何でもないと歯を食いしばり生きました、ふと見ると砂漠の薔薇が咲いていた、彼は足を止め砂漠の薔薇を砂の中から拾いあげて掌にのせました。すると砂漠の薔薇は白い手をした女に変わりました、女は彼を見つめてこう言いました「見つけてくれてありがとう」彼らは、その夜から手を繋いで眠りました。また、時間は流れて、共に時を重ねた二人の髪の毛には白いものが混じるようになりました、子供たちも巣立ちました。それでも二人は手を繋いで眠ります。
写真立ての少女は遠い遠い記憶の中で今夜も微笑みを浮かべたまま美しくキラキラしています。
年老いた女は、いつもいつも何でもないフリをして、その写真立ての写真をピカピカにして綺麗なお花を飾っています。
そしてその写真の中で微笑む少女に語りかけます。「ありがとう、あなた。あとどれくらい生きられるか分からないけど、私はあなたの生きたかった人生を貰いました。どうぞ恨んでください。もし、彼が記憶が曖昧になり周りの事がよく分からなくなる時が来て、自分の右腕にあなたの名前を呼びかけても、私は何でもないフリをして、あなたごと彼を抱きしめます。いいでしょ、それくらい私は幸せでした、ありがとう、あなた」
「ロード」
作詞 高橋ジョージ
リスペク・トオマージュ・インスパイア
「 STORY 何でもないフリ… 」
令和6年12月11日
心幸
追記
フリは嘘だ?阿呆だねあんた、嘘だから悲しくて優しくて深いんじゃない。あの世まで持ってくつもりのフリ(嘘)は誠を孕むんだよ!ガキはこれだから駄目だね(笑)フリだ何でもないフリが嘘で苦しい?まだまだそれは覚悟のない嘘だと心得よ、覚悟を持ってフリを貫けばそれが本当になります、それが嘘から出た実(誠)と言います。
12/11/2024, 2:33:50 PM