27(ツナ)

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寒さが身に染みて

手足や鼻先が冷えて真っ赤になる。
帰りのバスはまだ来ない。
自習してたらいつの間にか外は真っ暗で誰もいない。少し怖いのと芯から冷える寒さでぎゅっと体を縮こめた。

「あの…大丈夫?」
突然背後から声をかけられてビクッとなった。
私の他にも居残りしていた人がいた。
「あっ、えっと、寒くてうずくまってました。」
「寒いですよね、あ!良かったらコレ。…僕もバス待ちで、寒いかなと思って買っておいたんです。」
持つとまだ熱いくらいのココア缶を手渡された。
「え、でもこれあなたのじゃ?」
「僕のだから僕の意思で君にあげました。今日は芯から冷えるから、これ飲んで温まってください。あと、嫌じゃなかったら横にいてもいいですか?…僕、暗いの怖くて…お恥ずかしい。」
彼は少し恥ずかしそうに首筋を軽く掻きながら笑った。
寒さと彼の優しさが身に染みたある冬の夜のできごと。

1/11/2026, 12:13:16 PM