やなまか

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高い咆哮が空気を変えるように広がった。
耳の奥がツンと痛くなり、手足の先まで冷えて震える。和樹は短刀を握り込んで身体を硬くする。使い込んだ師の刀身はギシッと鳴りながら掌に馴染んだ。
両隣の重騎士が地面を唸らせ前進したのが見えた。直後、前方から熱風が吹き荒れる。
2人の重騎士が大きな盾で全体を守ったのだ。それでも漏れ出した熱は肌を焦がす。
「熱っっ」
後ろから少年の声が聞こえてくる。

敵の攻撃を正面の陣形で正確に迎え撃てる。和樹は指揮官の強さを噛みしめた。

「行くぞ」
「うん」
自分より10も下の少年が脇をすり抜け飛んでいった。

10/30/2024, 4:14:43 AM