「狭い部屋」「誰にも言えない秘密」6/4、6/5
ほぼほぼ完成していたのだが!!!投稿する前に内容が消えてしまったので昨日と今日の分をまとめて投稿するよ!!!なんということだ!!!泣いてもいい?
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ボクが管理する宇宙が危機を迎えたが、なんとか収束させることが出来た!!!あとはどう処理するかを決めるだけ……そう思っていたのに!!!
なんとこの騒動を起こしたのがボクだということになっている!!!アーカイブ管理室からボクが危機の原因となったものを持ち出したという「証拠」もあるらしい!!!
明らかに「改竄された」ログとやらがあるせいで!!!ボクには逮捕状が出されている!!!
全く訳がわからないよ!!!
このまま無抵抗でいれば碌なことにならない!!!
だが動きすぎるとさらに疑われる!!!
ボクはのんびりまったり仕事をしつつ平和に暮らしたいだけなのだが!!!どうやらそううまくはいかないらしい!!!困ったね!!!
だいたい、よりにもよってこの超可愛くて超優秀なボクをこうも大体的に陥れようなんて、真犯人は大胆不敵極まりない!!!許すまじ!!!
そろそろあの狭い部屋で取り調べを受けなくてはならないことだろう。あまり時間は残されていないが、せめてできることはしなければ!!!
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「ねぇ新人くん!!!聞きたいことがあるんだが!!!」
「はい、何でしょうかぁ?」
「事情聴取ってさぁ、リモートで受けちゃダメかな???」
「えぇ……一応聞いてみますがぁ、情報漏洩対策のためにおそらくできないかとぉ……。」
「もうひとつ聞いてみるが、取り調べって100年はかかるよね???2時間ぐらいで終わらせられないかな???」
「100年を2時間で?!……本部に相談はしますがぁ……。」
「……話はしてくれるんだね。というか、キミはボクの身柄を確保しにきたはずだろう?しれっとボクの味方しちゃっていいのかい?」
「あぁ、そうですぅ。ホントはダメなのですぅ。」
「でも、憧れの先輩が窮地に陥っているのを見ていて不安にならずにはいられませんよぉ!」
「よ〜しよし!かわいいかわいい!」「わぁ〜〜!」
「ところで、ボクのデータの解析は済んだのかい???」
「もちろんですぅ!」
「途中で追加データを渡して悪かったね!!!事件発覚以前のデータも渡さないと詳細がわからないから資料としてよろしくないと思ったのだよ!!!」
「賢明なご判断ですぅ!」
「さすがボクだねえ!!!」
「そうそう、で、キミの解析結果を教えてくれたまえよ!!!」
「わたしがデータを解析した結果、あなたがクロである可能性は0.000001%以下なのですぅ!」
「その通り!!!実際は0.000000%なのだが!!!」
「なにを根拠にそう判断したんだい???」
「えぇと、まずは感情のデータを読み取ったところ、ほとんど安定していたのですぅ。それからぁ、事件前に検出されるはずの悪意が確認できなかったことも挙げられますぅ。」
「それからぁ、事件発覚から対象の無力化まで、非常に迅速に対応されていたのですぅ。」
「あとぉ、強いていうならば、成果に対する執着よりも宇宙に対する愛が大きいことも根拠なのですぅ!」
「当〜然っ!!!」
「ただひとつ気になったのはぁ、1ヶ月ほど前でしょうかぁ、とんでもない量の『怨念』を検知したのち、1日近く活動が停止していたことなのですぅ。」
「一体、あなたに何が起こったのですぅ……?」
「あぁ、あれね!宇宙を吸収した原因が宇宙を怨念に変換してボクに全部突っ込んだのさ!ま、今はこの通り元気いっぱいだが!!!」
「宇宙約ひとつ分の怨念を?!そんなことをされたら普通修復不可能になってしまうのですぅ!よくぞご無事でぇ!」
「その時ボクを診てくれた整備士は叩いたら治るとか言っていたが!!!ボク以外じゃそうはいかなかったろうね!!!ハハハ!!!」
「そうだねぇ……キミの解析したデータと整備士くんの証言、それから現在凍結状態にある『証拠品』が出揃えばきっと嫌疑は晴れるはずだ!!!」
「にしても、ボクを亡き者にしようとするなんて!!!相手が悪すぎたねえ!!!」
「まあそれはいいとして、念のためにしておきたいことがあるのだよ!!!」
「しておきたいこと、なのですぅ?」
「そう!!!ボクは絶対にここに戻ってくるつもりではいるが、万が一のことがないとは言い切れない!!!だから、ニンゲンくんに挨拶をしておきたいのさ!」
「なるほどなのですぅ。」
「だから、ニンゲンくんが起きるまでちょっと待ってもらってもいいかい?」
「……少しだけですよぉ。」
「礼を言うよ!!!」
……せめて後悔のないようにしないとね。
狭い事情聴取用の部屋ではうまく立ち回らないと。
宇宙のためにも、キミのためにも。
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ボクは今から事情聴取を受ける。
ただ「詳しい話」を聞かれるだけだから、いきなり危険な目に遭うことはないだろう。
とはいえ、キミにそんなことを正直に伝えたら混乱させてしまうだろう。まあキミのことだから何にも気にしないかもしれないが。
だから、キミには本部に用事が出来たから少し家を空けるという体で外に出た。いつもありがとう、体には気をつけるんだよ。そう言って家を出た。
……逮捕状が出されていることも知られている以上、キミには「ただの用事」だと思われていないかもしれないが、それでも、出来るだけ心配をかけたくなくてね。
……そういえば、ボクがキミの名前を呼ばない理由を説明していなかったなぁ。でも、説明するわけにもいかないから、ここにきて以来そのことをずっと黙っていた。
なんせ、ボクの誰にも言えない秘密、かつ重要な機密事項に触れることになってしまうからね。
本当は、ボクだってキミの名前をたくさん呼びたかったよ。
だが、ボクにとって「誰かの名前を呼ぶこと」は、服従の象徴のようなものなのだ。
だから、もしキミの名前を呼んでしまったがために、キミがボクの傀儡になってしまったら。そう考えると悲しくて、恐ろしくてたまらない。
だから、ボクはキミの名前を呼ぶことができない。
……ボクは本当の名前を呼ばれると、あの旧型の宇宙管理士と同じように、必ずその後の指示に従わなくてはならない。
「眠れ」と言われたら眠るし、「消えろ」と言われたら消える。そんなふうに作られているんだ。
でも、一回くらい、キミに名前を呼ばれたかったなぁ。
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎って、呼んで欲しかったなぁ。
……なんて、ね。
6/6/2024, 10:38:54 AM