彼岸花

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桜散る

ふと見上げると、桜の花びらが舞っていた

青空の美しさに負けぬように、
1秒でも多く人の目に映るように、
ふわりふわりと踊っている

桜の最期とは実に美しく、儚いものだ

地面に落ちてしまえば、誰も見てくれない
それどころか踏まれに踏まれて霞んでしまう
だから最後まで必死に足掻いているのだろうか

それに比べて人間の最後は
悲しいものだ

長い年月をかけて築き上げてきた骨や臓器は
灼熱の炎によって焼き尽くされ灰になる
その姿は桜とは比べ物にならないほどに残酷だ

人も、動物も、植物も、
みんないつかはいなくなる
永遠なんて言葉は似合わない

人生という試練を乗り越えてきたのだから、
せめて最後くらいはもう少し華やかなものに
ならないだろうか

世の摂理には抗えないと知りつつも、
そんなことを考えていた

手のひらに一枚、花びらが落ちた

4/17/2024, 10:21:00 AM