DOES 1-500

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 太陽のような緋色の実が、風に揺られては鈴のように音を鳴らしていた。
 そんなはずはない、と、耳を澄ましても、たしかに、音は揺れる南天の実から聞こえている。しゃん、しゃら、しゃりん、りん。神楽鈴のような音だ。一歩、木に近づけば、音はその分だけ大きくなった。
 しゃん。鈴が鳴る。
 しゃん。赤い実はいつしか眼前からなくなり。
 しゃん。幾重にも連なる鳥居になっていた。
 しゃん。一歩踏み出した足は何かに呑まれ、

 ――――南天はただ、風に身を任せるばかりだ。

2/23/2023, 7:54:16 AM