カランコロンカラン。
「ただいま!」
陽菜(はるな)が店のドアを開けると、常連客は、おかえりー、今日はどこいっとんたんや、宿題終わったんかー、と次々に声をかけてくれる。
陽菜はまっすぐカウンター席の一番奥の席に向かい、鞄を置いた。鞄から画用紙を取り出して、常連客のテーブルに混ざりに行く。
「自由研究で地図作ってんの!ね、おっちゃん達、おすすめのお店とか教えてよ」
と、得意げに画用紙を広げているうちに、お店の奥から綾(あや)が出てきて、お冷のグラスを陽菜の席に置いた。
「こらこら、ハルちゃん、お客さんの邪魔しないよ〜」
「ええよぉ綾ちゃん、ハルは俺らの孫みたいなもんや、休みのたんびにこうやって会えるんが、生き甲斐なんや」
「そうそう、賑やかでええわ」
そう言って、おじさんは陽菜の頭を撫でた。陽菜の方も、満更でもない顔で、わしゃわしゃされている。
「私もあるよ、生き甲斐!」
陽菜はカウンターに戻ると、お冷をぐいっと飲んだ。
「ぷはぁ〜、遊んだ後はやっぱり、お店のミント水が一番やね、生き返るわぁ〜」
わざとらしい方言と、満面の笑みに、皆が大笑いした。
#生きる意味
4/28/2026, 12:05:41 AM