それは些細な違和感だった。
帰り道誰かに後をつけられている気配がしたり、
部屋の雑貨の位置が少しずれていたり、
知らない相手からの郵便物が届いたりした。
もしかしてストーカー?
私は友人のユウちゃんに相談した。
「やっぱり警察に相談した方がいいかな」
「んー、警察って何かあってからじゃないと動いてくれない事が多いから、あんまりあてにならないかも」
ユウちゃんはそう話してたけど、
念の為に警察へ行ってみることにした。
だけど言われた通り、警察は頼りにならなかった。
この一帯のパトロールを強化するという報告と
戸締りや防犯ブザーを持ち歩くなど自衛を
しっかり行うよう注意される。それだけだった。
深夜
レポートを作っていると突然インターフォンが鳴った
こんな時間に?誰?
固まって動けずにいると、
何度も何度もインターフォンを押された。
次第にそれはエスカレートしていき、
扉をドンドンと叩いたりドアノブを
ガチャガチャと壊れるほど回された。
怖くなった私はユウちゃんに電話した。
『どうしたの?』
『外に誰かいるの。ユウちゃん助けて』
『わかった。すぐ行く』
夜更けにも関わらずユウちゃんはすぐに来てくれた。
その姿を見た私はユウちゃんに抱きついた。
震えが収まるまでユウちゃんは私の背中を
ずっとさすり続けてくれた。
「ありがとう。ユウちゃんがいてくれてよかった」
「かわいい」
「え」
「友達が困ってたら助けるなんて当たり前だよ。
いつでも頼っていいからね」
そう言って私の頭を撫でながら優しく微笑む
ユウちゃんを見てまた泣きそうになった。
そうだね、ユウちゃんがいてくれたらきっと大丈夫
私はそのままユウちゃんに身を委ねた。
お題「怖がり」
3/16/2024, 1:29:13 PM