導(しるべ)

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時々、自由に空を飛べたら、なんてことを考える。
それこそ、鳥のように自由に空を飛び回れたらどんなに良いだろうと。
でもそんなことを考えたところで背中に羽は生えてこないし、空が飛べるようになるわけでもない。
所詮、そういうものなんだ。ただの空想物語にすぎない。
そんなこと、もうとっくにわかりきっていることだけれど、見てしまった。
何にも縛られずに、鳥のように飛び回る彼の姿を。
それも、こちらに手を差し伸べて「一緒に行こう」なんて言ってくれたものだから。
だから、迷わず手を取った。
鳥のように飛び回る彼の姿に惹かれて、彼とならどこまでも行けるなんて思って。
だって、どこまでも連れて行くなんて口説かれてしまったから。

これは、私の初恋だった。

8/21/2024, 11:27:13 AM