痛みの中で生きてきた。私も、あなたも。
どうしようもないことが沢山あった。自分の力じゃ無理だった。誰かに頼ればよかったのかもしれない。けれど、そんな寄る辺はどこにもなくて、ただ変わらずにある現状に引き潰されていくしかなかった。
私達はずっと雪原の中にいて、寒さに肺を刺されながら、ふやけきった足の裏を地面に押し付け歩いている。
蹲ってしまいそう。
でも、それでもまた一歩踏み出そうとするのは、まだ隣にあなたがいてくれるからだ。
傷だらけのあなた。私とよく似たあなた。この広い銀世界に緑が見えた時、きっとあなたは報われるだろう。
その時、私も共に、あなたと光のもとへ駆けてゆきたい。
ね、あなた、どこまでも歩んでいきましょうね。春がどこからくるのかなんて、私達まだわからないままだけど、二人共にいるならば、この左手だけは温かいから。
『雪原の先へ』
12/9/2025, 7:09:37 AM