白刎

Open App

「孤独だった木が花弁で満たされるように」

「僕の心も満たされる4月は死ぬ迄に来るのかな」

今この瞬間僕では君を満たせれない事を自覚させられた

「来年にはきっと、2人で幸せになれてるよ」

「そうだと良いな」

「うん」

「2人で幸せになれる迄この桜見に来ようね」

そんな会話をしてから、1年後の春

僕の隣には画面の中の君しか居ない

僕とでは無く他の人と死ぬ事を選んだ君しか居ない

2人で幸せになる迄見に来る約束をした桜を今年からは
1人で見なくてはならない

「こんな呪いあんまりだよ」


何も無い木から蕾が芽吹き花を咲かす4月
そんな春が僕は大嫌いだ


__花咲いて。



2024年7月24日

7/23/2024, 6:11:27 PM