わたゆめ

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またいつか

日本語の使い方を間違えてトラブルになったことがままある。

あれはまだ高校生のとき、帰り道に友人と街に寄って部活の顧問へのプレゼントを選びに行くことになった。

いつもは降りないバス停で下車して、雑貨屋さんに入った。生活用品から文具まで様々な商品を見ては、顧問に喜んでもらえるものを話し合った。

なかなか意見がまとまらず、いつの間にか顧問のプレゼント選びからウィンドウショッピングへと目的がずれてきたこともあって、私は「また明日にしよ。」と友人に提案した。

我が家ではこの言葉は「今日は無理しないでおこうよ。またの機会にしよ。」というニュアンスがある。

友人も私が乗り気ではないことを察して、その日はお開きになった。

次の日、学校が終わってバスに乗ると、昨日の友人から携帯電話に着信が入った。
私はすぐに嫌な展開を想像した。

案の定、友人は怒っていた。
「今どこ?
昨日、また明日にしよって言ったじゃん。」

「また明日にしよ」ではなく、「またの機会にしよ」と言えばよかったのだ。

家族ならば、「また明日」は「またいつか」の意味にもとれるが、友人にはそうはいかなかったことを学んだ。

そして、友人は私を言葉に責任のもてない裏切り者として罵った。

あのときはなんとも情けのない気持ちがした。


7/22/2025, 1:04:11 PM