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海の青に染まった世界が妙に気持ち良くて、俺は思わず身を委ねた。

青色は好きだ。いつも空を見れば青があり、離島にあった母校でもその海は何よりも身近に存在していた。…いちばんの理由は、かつての親友を思い出すからだ。

光の透けた浅瀬のように輝く髪、海の色をそのまま吸い取って貼り付けたように美しい青い服。

思い出の中で変わらず親友は笑っている。
高い身長に似合わない高い声で、俺の名を呼んでいる。

記憶など、とうに海の底で死んでいる。
たった一人世界を漂うこの赤い肉体は、ようやく潮時を迎えるらしい。

《海の底》

1/20/2026, 11:20:17 AM