あの人は何かを隠している。
そうじゃなかったら「私のこと、好き?」という質問に対して「たぶん……」なんて、そんな言葉にならないもの。
だからどーしても納得できなかったからあの人のことを問い詰めたの。
「私のこと、本当に愛してるの? 愛してるんだったらどうして曖昧なこと言うの?」
そうしたら彼は頰を掻いてしどろもどろになりながらも、ちょっと照れくさそうに答えた。
「あの……その、君があんまりにも綺麗で、その……僕なんかが君とお付き合いできるなんて、奇跡、だと思ってるから……
き、君のことはもちろんす…好き、だよ。
だ、だけど、誰かから言われたら……その、自信がなくなる……というか、えっと……」
もごもごと言葉を探す彼に私はとても愛おしくなってギュッと抱きしめる。
いきなりのことに彼はふぇっ!? と高い声を出してガチガチに身を固くしていた。
「私、やっぱりあなたのこと大好きだわ!」
「え……え? なんっ…え? え?」
「ふふっ、私は飾らない人が大好きなの。だからいつまでも自然体なあなたでいてね」
「え、あ……はい」
彼に微笑みかけると彼は優しい笑みを浮かべる。
そうだ、この人に言葉で愛情を示せと無理に言ってもダメ。
こうしてちゃんと言葉以外でも私が大好きだと大切だと示してくれてるじゃない。
私もそれに負けないくらい彼に愛を伝えなきゃね!
§
(平熱になりましたー。
元気なことは素晴らしい!)
8/13/2025, 12:29:06 PM