月埜 夜

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ふと、宛てもなく歩きたくなった。
歩き慣れた街を気の向くままに足を運ぶ。
彷徨うように漂えば、見知らぬ場所へ出てしまった。

ーー知らない道。

ーー知らない家。

ーー知らない人。

右も左も知らないものばかり。
ここは一体どこだろうか。
思案するように顔を上げれば見上げた先には

ーー知っている空。

どこか遠い、何も知らない場所で知っているもの一つ。
たったそれだけでどこまでも歩いていける気がした。

『遠くの街へ』

2/28/2026, 5:22:40 PM