海月

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「ただいま。」
一人暮らしの部屋に声をかけるのです。
自分が今一人で暮らしているという事実は重々承知していますが、
なんだかこの玄関というものを開けると
言いたくなるものなのです。

今日は疲れた、と日々思うことを心中でぐるぐると混ぜ、
お風呂に入るのです。
ただただ水のシャーッという音を聞いていると
なんだかこの世界に一人になったようで不思議な心地に包まれます。
自分の足が水に使った感覚に
ふと下を見てみると、どうやら排水溝が詰まってしまったようで
蓋を開けることにしたのです。

なんとなく、排水溝に溜まった髪の毛が可哀想でした。


9/14/2024, 10:10:56 AM