未知亜

Open App


 雨の音で目が覚めた。
 見慣れた天井に水面のような模様が揺れる。薄暗い静けさに規則正しい呼吸が満ちる。

 ずれた毛布を肩に被せて、安らかに閉じられた瞳を見下ろす。瞬きしてる間に消えてしまったらどうしようなんて、馬鹿なことを考える。傍にこうしていられるなんて、まだ夢の中みたいで。

 起きてほしいけど起こしたくない。見つめられたいけど見られたくない。そう思ったら瞳が開いた。二三度瞬いてから、掠れた響きの「おはよう」が降る。私の隣に星が溢れる。

『安らかな瞳』『星が溢れる』

3/16/2026, 7:48:55 AM