彼女との買い物帰り,公園を通り掛かった時
彼女が言った。
「ねぇ,冬休み好きだった?」
何を思ってその問いかけをしたのか分からないが
俺は
「好きだったよ」
そう答えた。
「へぇ,そうだったんだ。私は嫌いだったんだ。」
「どうして?」
「うーん,なんでだろう?」
「なんだよそれ笑,わかんないの?笑」
「うん笑,わかんない笑」
しばらくして
「「ただいま」」
2人の声が家に響く。
買い物の整理も終わって落ち着いた頃
彼女は言った。
「私嫌だったんだよね。」
「何が?」
なんのことかさっぱり分からなかった。
「冬休みの話」
「あぁ,その話か何で?」
「冬休みって短いじゃん。
さすがに大晦日と元旦の日は休ませて欲しいけど
ほかの休みっていらなくない?」
「うーんそうか?」
テレビを観ながら答える
「だって大好きな友達とか
推しの先生とか見られないんだよ?
それと...」
「それとの次は?」
突然言葉の詰まった彼女が気になって
横に視線を向ける。
「...それと,貴方に会えないじゃん。」
「えッ」
少し上目遣いでこっちを見て言う姿は
僕の理性を壊してしまうような破壊力があって
顔に熱が集まった。
「あっ洗濯物畳んでこないと」
なんてわざとらしく彼女は部屋を出た。
なんて心臓に悪いことを言ってくるんだ。
“めっちゃ可愛い”
いつもはそんなこと言わないのに。
確かに学生の時は
冬休みとかデート多くはしてなかった。
クリスマスの時だけだったかもしれない。
彼女はあまり気持ちを表に出さないから
俺だけテンション上がって
いっぱい計画立ててたら恥ずかしくなってきたから
それだけの理由で
あんまり会う計画立ててなかったんだった。
この冬は冬休みとか関係ない。
同棲始めたので
学生の時の会えなかった
冬休みの寂しさが無くなるくらい
たくさんの思い出を作ろうそう思った。
─────『冬休み』
12/28/2022, 11:08:10 PM