ダメな娘だ、なぜそんなこともできないんだ、当たり前だ。父からそんな事ばかり言われた。
褒められるなど無縁に育った。完璧を求められ続けた。第三者には、成功したら誇りだと言われ、失敗すると愚女と蔑まれる。
私って一体何なのだろう。そう考えずにはいられなかった。
誇りってなんなのかな、貴方と会っている時思いがけず口からこぼれた。
慌てて取り消そうとしたけど、貴方の方が先に口を開いた。
「誇りか、、、。考えたこと無かったけど、僕にとっては両親と君かな」
贅沢な暮らしはできないけど両親は僕をここまで育ててくれた。愛情を持って接してくれた。そして君は、僕が辛い時、悲しい時傍にいてくれた。時には僕のために怒ってくれたり、泣いたりしてくれた。僕はそんな人達を誇りに思うよ。
そしていつも感謝してる。
傍にいてくれてありがとう。
目頭が熱くなった。
怒られてばかり、蔑まれてばかりいた。だからいっそ私なんていなければって思った。
けれど貴方はこんな私を誇りなんて言ってくれるのね。
「私も貴方が誇りよ。何よりも。そして貴方の誇りであり続けるために頑張るわ」
今までの不安を隠すように、貴方への感謝が伝わるように私は精一杯の笑顔を向けた。
8/16/2024, 4:39:53 PM