Rutu

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街。
ー先輩ならすぐに何か浮かぶのかなー
私はバカだから思いつかないな。先輩にフラれたショックが大きいはずなのに、増々好きになって、3月で卒業する先輩へ何も出来ないでいる。
先輩と出会ったのは陸上部だった。兄弟の影響もあったけど、本当は先輩の走る姿に惹かれて入部した。先輩は無口でたまに漏れる笑顔が私の「尊敬」を「好き」という感情に変えてしまった。片想いをして6ヶ月。10月31日、私は先輩に告白した。でも、1ヶ月以上経ってから返ってきた返事は
「今はそういうのに興味ありません。ごめんなさい」
だった。私は悲しいはずなのに涙を流しながら増々溢れ出す想いでいっぱいいっぱいだった。

私は小学生の頃からの幼馴染くんがいる。あまり接点がなかった幼馴染くんは同じクラスになってから距離が近くなった。私に話しかけてきて、私が陸上部に入ったら途中入部でも陸上部に入ってくるほどだ。蛙化現象を持っている私には気持ち悪いという感情が溢れていた。先輩に告白して数日経ったある日、私は突き放すように言った。
「私には好きな人がいるの。蛙化現象も持ってるんだけど、その人だけには出なくてさ。本気で好きなんだ」
唖然とした顔だった。
「ほかの男子に見られても嫌だし、家の前まで送ってくれなくてもいいよ。あんまり近づきすぎても私、蛙化現象出ちゃうし」
幼馴染くんは今にも泣きそうな顔だった。
ーこれでいいー
私に近づいたら傷つくし、これでいいの…そのはずだった。
「わかった。でも、最後に言わせて。返事、まだ出てなくて良かった」
返事。そういえば今日、先輩に告白したの近くにいた幼馴染くんは聞いてたんだ。
「返事?なんのこと?」
わかってたのに、私は誤魔化すようにそう答えた。
「俺の初恋の……」
小さな声でボソボソ言う幼馴染くんに
「君の初恋!?君、今初恋中でしたか、誰〜?応援するよ!」
幼馴染くんは奥手男子で、彼なりの告白をしてくれたつもりなんだろうけど、私は気づかないフリをしていた。私はあなたを好きになれる自信はない。
そしてそれからまた1ヶ月が経ち、私はフラれた事を伝えた。
「ドンマイ」
なぜかニヤニヤと嬉しそうな顔をしながら励ます幼馴染くんに私はムカッとしてしまった。

1/29/2023, 2:22:23 AM