明永 弓月

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 きっといつまでも埋まることはないのだろう。

 当たり前にそこにあった。心の中を、自分を占めているとは思っていなかった。消えてしまってから気付いた。気付けただけ幸いなのか。大事だったのだろう。失われたものは戻らない。
 ぽっかりと空いた穴。そこにあったものの代わりに何が入れられるだろうか。代わりなど存在しない。わかりきったことだ。だから、何もないことを感じている。

 空虚。それを抱えることはできるのだろうか。

9/11/2024, 6:26:56 AM