透明な涙 風のいたずら
結構 強い風が吹き、土埃が舞う
土埃が収まると隣にいる彼女が透明な涙を流していた
「どうした!?」
慌てて彼女に声をかけると彼女は「土埃が目に入ったぁ」と目を擦る
「擦るな!
傷ができる!」
彼女の手を掴み、彼女と目を合わせるように屈む
じーと目を見つめる
彼女も俺を見つめ、首を傾げる
「とりあえず目を触るぞ」
「うん…」
了承を得てから下瞼を下に引っ張り、あっかんべーをさせる
「ん、大丈夫そう」
「ありがとう」
ニコッと笑う彼女に俺も笑顔を返した
風のいたずらで初めて彼女の涙を見る事になったが、やっぱり笑顔の彼女が好きだと思った
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手のひらの宇宙
彼女の誕生日にプレゼントしようと一生懸命スノードームを作る
スノードームと言っても雪の情景を模したものでは無く、宇宙を模したものだ
スノードームキットを使って手のひら大の宇宙を作る
最後に隕石に見立てたホログラムを入れ、精製水を入れて蓋をきつく閉める
ドキドキしながらスノードームを立てるとホログラムが降って綺麗だ
これは喜んで貰えそうだと胸を撫で下ろす
1/19/2025, 9:23:45 AM