「こっちだ」
お兄ちゃんの声が聞こえた気がした。
私は走り出す。
お兄ちゃんが最後に目撃された森の中は鬱蒼としていて、気味が悪くって、頑張って捜索を続けていたけどもう今日は帰ろうだなんて弱気になっていた時にその声は聞こえた。
「おっ、おにいちゃん、どこ、どこなの!」
ガサガサと茂みを掻き分けて声の出処を探す。葉っぱが手にちくちくと刺さって痛かったけれど気にならなかった。お兄ちゃんが居なくなってからお母さんが笑わなくなったことの方がずっと痛かった。
絶対にお兄ちゃんを見つけるんだ、私はぐっと決意を固めて、茂みの奥へ飛び出して──!
真っ逆さまに落ちていった。
「……?」
そらがみえる。
どうして……? 何がどうなったの……? なんだか………………………………いたい……………………………………。
「おにいちゃあ……どこに、いるの……」
どこに
どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、どこに、ど
「こっちだ」
君の声がする
2/15/2025, 11:34:16 AM