NoName

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切り口から溢れ出る真っ赤な液体は綺麗だった。
体の芯が冷え行く中、
微量の熱を発しているそこは、
薄れ行く意識の中に「人生」を感じさせた。

「僕は生きていた」
僅かに脈打ち、
ゴウゴウと熱くなる左腕を見ながら、
僕は安堵し、
そっと目を閉じる。

11/26/2023, 1:56:00 PM