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無意味にゆらめく炎を見ていたい夜がある。
そんな時は動画サイトで焚き火の映像を検索して、それをぼーっと眺めるのだ。そして、いつの間にか眠りにつく。
そうして朝起きた私の目の前。
わざとらしい焚き火の赤が、薄っぺらい結晶の中で揺らめいている。右上の10%の文字を見て、私はため息をついた。

ある日、買い物の途中。
セールのカゴの中に雑に押し込まれたキャンドルが目に入った。アロマでもない普通のキャンドル。なぜか私は、その白色が気に入ったようだ。

家に帰って夜。
キャンドルの下に皿を敷いて、ライターでてっぺんに火をつけた。ぽぅと明かりが灯る。それは確実に目の前の本物で、熱をもってゆらゆら揺れる。
ゆらゆら
ゆらゆら
不規則に、微かにゆらめく炎を、食べてしまいたいと思う。寒い冬も、これで乗り切れるだろうから。

朝起きる。
キャンドルがただの白い水たまりになっているのを見て、私はそれが死骸に見えた。

11/19/2023, 2:00:00 PM