いいこだね、えらいね、すごいね、かわいいね、とひとつ下の幼馴染みを大事に大事に扱ってきた。
驚くくらい真面目で、いつもたくさん頑張ってて、それなのにどこか報われなくて、綺麗なのにどうにも目立たない、そんな子だった。立派なご両親ととっても器量の良い兄弟に囲まれてることもあって不出来だと周りに責められる子だった。そんなことはないのに、真面目すぎる性格のせいでその全てを真正面に受け止めるので自己肯定感がやたらと低かった。それが歯痒くて腹が立って悲しくて。
いいこ、いいこ。いつも頑張っててすごいよ。俺はちゃんと見てるからね。真面目にやっててえらいね。そう誉めて誉めて誉めそやして、その結果。
「俺、アイドルになろうと思うんだ」
何でそっちにかっ飛んじゃったかな。
5/30/2025, 12:03:32 PM