なまえ

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僕にとって"始まり"はいつも"不安の始まり"でもあった。
楽しい予定が入ると、予定が終わるところから想像する。悲観的というよりは漠然とした想像のつもりだ。

つまり僕にとって彼女と過ごす日々は、彼女と別れる日までの、カウントダウンの日々でもあったのだ。

勿論彼女に自分からその感覚を伝えることはなかったのだけれど、ある日たまたま会話の流れで、彼女と僕は同じ感覚を持ち合わせた者同士なのかもしれないと思う瞬間があった。

「私ね、食べる前から食べ終わった時のことを考えちゃってなかなか手をつけられない食べ物があるんだ。食い意地張ってるでしょう。」

10/20/2024, 11:29:17 AM